在来の土壌を変化させてくれる微生物の力とリグニンの効果
先日、島本バイム研究農場の土を久しぶりに1メートルほど掘り返してみました。
元々、研究農場の土は西日本に多いカオリナイトの黄色土で粘土がキツく水に濡れるとぐちゃぐちゃ、乾くとカチカチに固まり野菜を栽培するにはかなり厳しい土です。
開墾当初は耕耘機の爪が入らずに二人係で跳ねる機械を抑えながら耕していたと聞いています。
今現在は約50センチほどの深さまでフカフカで黒々とした土壌へと変化しています。
比重を比べてみてみると
黄色土2.3
土壌改良後1.1
と土壌改良後では元々の土に比べかなり軽くなっているのがわかります。
また土壌改良後の三相分布では
固相 41.5%
液相 27.0%
気相 31.5%
と野菜を栽培するのに理想的な三相分布に近い値を示しています。
このように元々粘土が強く重たい土でも柔らかく軽い土壌へと変化させることができますが、この土を変化させることができるのは土壌微生物だけになります。
私達はその土壌微生物が土を変化させるために必要な材料として有機物を土に施しますがその有機物の中でも特に植物繊維の一番硬いリグニンが多く含まれているものの方がより土壌改良効果が高く、また持続性も高まることが分かっています。
そのリグニンの多い有機物が木質になりワラの約3倍量含まれています。
土壌改良には植物繊維の炭素量も重要ですが、土壌改良をより効果的に、また持続性を持たせようと思うとこのリグニンに注目されるのも一つだと思います。
黒木