健康で豊かな土は微生物がつくっている
“土も自然の一部であるということ”
自然界の土のメカニズム
植物が生きるためにまず必要な「土」。
でも、土とはいったい何でしょうか?

長い歳月をかけて粉砕され
岩石の粒となった「土」に、
落葉や動物、虫の糞や死骸などの有機物が微生物により
分解され蓄積されたもの、
それが「土壌」です。

土の中では非常に複雑な
生命にとって豊かな土壌の世界が築かれています。
そこで大切な「分解」の役割を担っているのが、『微生物』たちです。

化学肥料や農薬の乱用で姿を変えた
微生物のいなくなった農地

“自然の土だけでは美味しくて良質な農作物はできないの?”

  • 現在、日本の農地の多くでは化学肥料や農薬を多用した農業が行われています。それには戦後の食糧難や消費型経済になったことにより、一度に大量に安定した生産供給が求められるようになった時代背景がありました。

    安価で安定した化学肥料や農薬の使用により、作物の生産性は高まり、安定した供給ができるようになりました。しかし、困ったことにそれは一時的なもので、しばらくすると同じ農地で作物を作り続けていると作物が育ちにくく病気になりやすいという現象があちこちで起こりはじめます。

    作物を元気にしようとさらに多量の化学肥料を与え、病気を止めるためにこれまで以上に農薬を使わざるを得なくなりました。連作障害を防ぐために薬剤による土壌消毒が繰り返され、効かないから薬剤を増やす、という悪循環に陥ってしまいました。

    ではなぜ、化学肥料や農薬の乱用によって土がおかしくなってしまったのでしょうか?

    落ち葉や動物の糞や死骸などの有機物は土壌中の多種多様な微生物たちによってさまざまな物質に分解されます。分解されてできた物質がまた別の微生物のエサになり、その分解物がまた別の微生物を育みます。
  • このようにして有機物をエサに複雑で豊かな微生物の生態系が築かれ、それらが土を健康で豊かにし、作物の生育環境を整えてくれます。

    しかし、化学肥料のみに頼り、落ち葉や動物の糞や死骸などの有機物の供給がなくなってしまえばどうなるでしょうか?本来微生物のエサとなる有機物がなくなり、化学肥料のみとなれば微生物は単純化し、豊かな生態系を維持することはできません。化学肥料を与えれば作物は育ちますが、微生物のいなくなった土は固く締まり、作物の根の伸長を阻んでしまいます。豊かな微生物の生態系が保たれているときは、それぞれの微生物がお互いを牽制しあうことで特定の微生物が異常繁殖することを防ぎます。ところが、微生物の生態系が崩れた土では、ひとたび有害な微生物が侵入すれば瞬く間に増殖を許してしまいます。

    土には本来、作物を健やかで豊かに育む力があります。大切なことは、土中の微生物が活き活きと活動できる環境を守り質を高めながら、必要に応じて化学肥料や農薬を上手に取り入れることであると、島本微生物農法では考えています。そのため、微生物の生態系を豊かにするための「土づくり」を、最も大切にしています。

農地がおかしくなった原因は化学肥料や農薬の多用によって“微生物が住めない土地”にしてしまったこと農地がおかしくなった原因は化学肥料や農薬の多用によって“微生物が住めない土地”にしてしまったこと

  • 有機物が豊富な土地では、微生物が豊かな生態系を築くことができ、農作物の栄養となる無機物が豊富に生産されます。また、有用微生物は農作物に害のある菌や病原体の繁殖を抑制する力もあります。微生物による豊かな土壌が築かれているとき、化学肥料を適切に与えることで不足する栄養の補給に効果がありますが、同時に微生物のエサとなる有機物を何らかの形で補給してあげないと微生物が減少し、土壌が痩せてしまいます。
  • そして、不作の原因がわからず、さらに多量の化学肥料や農薬を使ってしまうという、悪循環に陥ってしまうのです。

    大切なのは、微生物の豊かな土壌の生態系を築きながら、必要に応じて化学肥料や農薬を適切に使用していくことであると、私たちは考えています。

科学と研究の力で
実現可能な有機農業

エコだからだけじゃない
最も理にかなった農業を豊かにする農法

本来、微生物によって築かれた自然の土には、作物の必要なときに必要なだけの栄養を十分に与えられる豊かさがありました。

量産化が推し進められ化学肥料や農薬の使用が多くなるなか、原点回帰として微生物を使った農業が注目されましたが、思うような効果が得られないケースが多発し、ついに忘れ去られてしまいます。

微生物の生態系は常に複雑で、農業に活かせるまでに研究が達しなかったためです。しかし、私たちの前身である島本微生物研究所は諦めずに長年研究を続け、安定した効果を発揮する資材の開発に成功しました。

現在、オーガニック栽培や無農薬栽培、または地球環境にやさしい農業として注目されている微生物農法ですが、農業の基本となる知識で満ち溢れており、大地の恵みを得るために先人たちが試行錯誤してきた基礎たる技術なのです。

持続可能な農業は夢ではありません。科学と人の熱意で着実に研究・技術確立されてきた、自然に逆らわず自然の力を活かす島本微生物農法は、農業の本来あるべき姿でもあり、未来へ繋ぐ最先端の農法でもあるのです。

食と命と環境を守る
未来をつくる持続可能な
土づくりと農業

100年後、1000年後も豊かな農業を
守っていくために

身体に良い、安心して口にできる微生物農法で育てた農作物。消費者へ安全でおいしく、栄養のある農作物を提供することの大切さはもちろん、21世紀には化学肥料、農薬の乱用による土壌汚染、自然破壊、世界規模での大食糧難など、私たちが食や農業において抱える問題はたくさんあります。

今は当たり前に作物を口にすることができる日本でも、化学肥料・農薬の使用量は世界でもトップレベルで、それによる土壌汚染、土壌汚染された土地の水が川や海へ流れ込む水質汚染、その水が雨となり地上へ降るという悪循環は、すでにはじまっています。

今の農業のままでは、やがて行き詰ってしまう日がくるのもそう遠いことではありません。自然の循環と一体となり、地球にも人にもやさしい、持続可能な農業を確立することは、私たちの未来を築くために大切なことだと考えています。そのために、島本微生物農法が多くの人々にとって役立つものであると信じ、これからも農法技術の開発、知識の普及や情報提供に取り組んでまいります。