愛東メロンを悩ます生育不良-土壌のケア-

滋賀県愛東メロンが最盛期を迎えています。

愛東町では、昭和50年代からメロンやトマトの栽培が盛んで、販売が始まると行列ができるほど人気の産地です。


一方で産地の悩みとして長年同じ体系で作物を栽培していると連作障害が発生し作物の生育不良や枯れが目立つなどの問題が生じやすくなります。

元々この地域の土壌は、黒々とした良い土で腐植含量が約8%と日本の平均腐植含有量2%と比べても肥沃な土壌です。
しかし長年の栽培により栄養腐植は微生物のエサとして消費されます。これにより、微生物群集が作物の残根を中心に単一化し、病原菌の密度が高くなったことで連作障害が発生したと考えられます。

今までは薬剤による殺菌で対応が出来ていたのですが、それでも十分に抑えきれなくなってきており、今回特に年々深刻化している連作障害の対策について、2件の農家様からご依頼いただき昨年の夏から取り組みを始めました。

改善策としては、まずは良質な温醸堆肥を投入し、さまざまな有用微生物のエサを供給することから始めます。
また加えて、ホワイトソイルクリーンや土こうじを活用し取り組んできました。






初めて伺った時は、最も深刻なハウスで2〜3割ほどのメロンが生育不良で収穫できなかったようですが、今年は完全ではないものの、数本の生育不良にとどまり園主さんも大変喜んでおられました。

しかし、今回の事例は分かりやすい改善例ではありますが、土壌改良は一朝一夕にできるものではなく、やはり継続することが重要です。
長年にわたり生産を支え、頑張ってきた土壌のケアをこれからも続けていっていただけるよう、私たちも引き続きサポートできればと思っています。